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再生と片付け②

  • 執筆者の写真: takeshi
    takeshi
  • 2021年2月6日
  • 読了時間: 4分

五、六十年前までは、牛も家族として家の敷地内に暮らしていました。森田の家の古民家には、元牛小屋に床板を貼って物置部屋にしているところがあり、そこの床板が北からの湿気で朽ちてボロボロになってたので、張り替えることにしました。


まずはインターネットです。湿気対策とは。防湿シートを地面に張り巡らせ地面からの湿気を遮断する。とありました。確かに建築中の近所の家も防湿シートを敷いていました。

バシッと湿気を遮断し、カラッとビシッと新たに物置部屋を作ろうとコーナンにシートを買いに行く気満々でした。

ところが、自宅では炭を床下に敷いてますという方や、自然と暮らしてきた生活様式にとっては湿気を遮断する方法以外に何かあるのではないかという案が出てきたりと色々考えが深まりました。


この元牛小屋には部屋の床下の真ん中に穴が空いていて大きな壺が埋めてありました。そこに向かって勾配がついており、すり鉢状になっています。ついに埋蔵金発見か!と思いましたが、どうやら牛の一時肥溜めだったようです。壺の底が抜かれていたので水分はそのまま流れてパサパサの牛糞堆肥にしていたのだろうと思います。そこから畑に持って行ってたと思われます。


納屋に大量にある細かい炭をそこに投入し清め、防湿シートは敷かずに、四隅に調湿炭なるものを置きました。

防湿ではなく調湿です。湿気の多い日は湿気させ、湿気の少ない日は乾く。そういうものです。

私の自宅の門扉は無塗装の2×4材をつないで作ったもので、雨ざらしで30年近く腐らずにいます。濡れては乾きを繰り返しているからでしょう。私も47年間死なずに生きています。落ち込んでは元気になりを繰り返しているからだと思います。いつも元気でいようと思うともちません。

話が脱線しましたが、要するに自然、自ずから然るという意味でもありますが、森田正馬のいう自然服従という言葉を思い出しました。水は低いところに流れると同じように感情も自然の動き、流れがあります。それに従っていけば良いのです。コントロールしようとしてもしっぺ返しを喰らいます。ただちょっと居候させてもらって生活を工夫できれば楽しいのです。畑もそうです。食物を栽培するとはなんと不自然なことかと思いますが、自然の営みを真似て少し居候させてもらっています。

話が脱線しましたがと書いてさらに脱線しましたが、要するに、話し合って工夫をしました。にんげんですもの。

一度炭で埋めた肥溜めをもう一度掘り出し、点穴にして地面の空気と水の流れを再生させようという案です。矢野さんという方が提唱する大地の再生という環境再生の工夫の手法のひとつです。

大気は地面にかなりの圧力で乗っかっています。そこにさらに横、上方向から圧力をかけ建物や道路や河川をコンクリートで覆ったりシートで遮断したりすることが多いです。そうすると地中の空気と水の流れが滞ってしまい思わぬところで不都合が起こってしまいます。

そこで地面の水脈作りと点穴という圧抜きをすることで本来の自然の動き、流れに再生していこうという工夫です。自然の中ではイノシシが穴を掘ってその役割をしているそうです。本亥は意識してないでしょうが。そこにミミズがいるのでしょうか?

元牛小屋ではこの一時肥溜めを点穴に利用しようということになりました。

こうなってくると楽しくなってきます。床下を憧れのヘリンボーン貼りにすることにしました。物置き部屋なのに。そうなってくると精密に同じ長さで野地板を切れるシステムが必要になってきます。作業台を作りました。一向に片付きませんが、楽しくなってきました。同時にロケットストーブでの燻製作りに試行錯誤している人もいます。春に植えるじゃがいもの種類を調べてじゃがいもの奥深さにワクワクしている人もいます。片付けが楽しくなってきました。

埋めた炭を掘り出しています

埋蔵金は出ませんでした。腐った束や根太はその辺にある木を使いました。昔、炭を作って商売してたようです。まだまだたくさんあります。炭も奥深い!


竹の節を抜いてランダムに「しがらませ」て差し込みます。そして剪定枝などを炭と一緒に詰めます。しがらみは人間界のことではなく自然の形なんですね。自然を真似る。


なんだかんだ言いながらちょっとずつすっきりしてきました。



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